子育てのヒント HINT

子どもの遊び方

「よく遊び、よく遊べ」「遊ぶことは学ぶこと」。「遊び」は、園においてとても重要なキーワードのひとつです。
元気な身体、器用な手、見る力、聞く力、話す力。創造性や知力、友達とのかかわりで、社会性も身に付きます。
子どもは、園舎や園庭で夢中で「遊ぶ」ことを通して、からだと心を一緒に成長させていきます。

乳児のころ

● おおむね6ヶ月未満

スキンシップを受けるなど体が触れ合う関わりを通して心地よさを味わい、親しい大人との関わりの中で安定して過ごします。 生理的欲求が満たされることで愛着関係を築きます。

くすぐり
遊び
いない
いないばあ

● おおむね6ヶ月〜1歳3ヶ月未満

運動機能が発達することにより周囲の人や物に興味を示し、探索活動が活発になります。

ギッコン
バッタン
逆上がり
トンネル
くぐり

● おおむね1歳3ヶ月から2歳未満

歩く、押す、つまむ、めくるなど運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を高めていきます。指差し、身振り、片言などを使うようになり二語文を話し始めるようになります。

リズムに
乗って動く
プレート
落とし
ひも通し

● おおむね2歳

歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達してきます。自分の意志や欲求を言葉で表出できるようになります。盛んに模倣し、簡単なごっこ遊びを楽しむようになります。

ボール遊び
縄跳びへび
シールはり
・はがし

年少のころ

この時期は知的な力がぐんぐん伸びて、はさみやクレヨンなどの道具を使ったり、自分なりに工夫して遊べるようになります。また、ひとり遊びや平行遊びの時期から、友達やクラスの仲間との集団遊びが始まるのもこの頃です。

みんなで輪になり、両手のひらを上に向けます。ひとりが「お、せ、ん、べ、い、や、け、た、か、な」と、手のひらを順につついて行き、「な」の手を裏返します。みんなのおせんべいが焼けるまで続けます。昔ながらの遊びですが、仲間とのスキンシップもとれ、素朴で暖かい雰囲気の遊びです。

数人で、ハンカチや紙テープなどを、しっぽのようにズボンやスカートにはさみ、追いかけっこをしながら取り合います。一番多く取った人が勝ちです。 取られてしまったらそこで負けで、取り合いには参加できなくなります。

まず1回の動きで切れる紙テープなどから始めます。慣れてきたら、折り紙や広告を好きな形に切ったり切り抜いたりします。もちろんハサミは幼児用の先の丸いもので、保育者の指導のもとで使用します。

鬼を一人、あるいは複数決め、他は逃げます。つかまったら「氷」になってしまうので、動けません。他の子にタッチしてもらったら、氷は溶けてまた逃げられます。全員が氷になったら、最初につかまった子が鬼です。

● その他にこんな遊びも…

砂あそび/ねんどあそび/がらくた集め/かごめかごめ/
へびおに/お絵かき/折り紙/井型ブロック など

年中のころ

この時期にいちばんさせてあげたいのは、仲間や友達との、自由で、ある程度のゲーム性のある遊びです。楽しい遊びのなかのルールを守ることによって、『していいこと』と『悪いこと』という、社会の中でのルールも自然に身に付いていきます。

おなじみ「お寺の和尚さん」も地域によって違いがあるようです。ここでは長いバージョンを紹介します。
①お寺の和尚さんがカボチャのたねをまきました
②芽が出てふくらんで
③花が咲いたら枯れちゃって
④忍法使って空飛んで
⑤ぐるぐる回ってじゃんけんぽん!

鬼は特定の色を指示して、他の子はその色を探しながら逃げます。鬼は、その色にさわっている子はつかまえられません。逃げている時につかまえられた子が次の鬼になります。つかまえられなかった時は、鬼は次の色を指示します。

牛乳パックや空き箱などで、乗り物や、テレビヒーローのベルトなどを自由に作って見立て、ごっこ遊びをします。折り紙や広告紙を組み合わせたり、マーカーで絵をつけたり、子どもなりのアイディアで楽しみます。

「丸いものを探そう!」や「赤いものはどこ?」など、色や形の共通するものを集めたり、探したりする遊びです。お片付けの時にやってみたり、通園バスの中などでも、外の風景を見ながら遊べます。

● その他にこんな遊びも…

だるまさんがころんだ/むしとり/つるぴかどろだんご/
しりとり/なぞなぞ/あとだしじゃんけん/カードあそび/
ビーズ通し/はないちもんめ/高鬼 など

年長のころ

この時期は遊びの形もそれぞれ個性が発揮され、自分なりに応用することが出来るようになります。社会性も広がり、仲間と協力したり、他の子に手を貸したり、自分より小さな子を気遣ったりする場面も見られるようになります。

先生が簡単な幼稚園内の見取り図を用意します。
ちょっとした人形などを隠したら、地図にしるしをつけてあげます。スタートしたら、最初に見つけた子の勝ちです。すこし高いところや、遊具の中などに隠すとなかなか見つからず、楽しいです。見つからなかったら、ヒントをどんどん出していきます。

園外保育などで拾ってきたどんぐりや砂などを、プリンなどのカップを2つ合わせた中へ入れ、テープで止めます。マーカーなどで模様をつけると、簡単マラカスの出来上がり。歌にあわせてシャカシャカします。

地面に丸い円を描きます。内野と外野の2チームに分かれます。外野が内野の子にボールをぶつけ、ぶつかったら外へ。全員が外にでたら、内野と外野を交代します。年少児でもできる、『転がしドッジ』という遊び方もあります。

年長くらいになると、言葉への理解が深まり、しりとりやなぞなぞの他に、だじゃれや替え歌など、語句を置き換えたり、韻を踏んだりして楽しむことができるようになります。
例『ふとんがふっとんだ』
 『♪あばれんぼうのサンタクロース』

● その他にこんな遊びも…

工作あそび/どろけい/あやとり/缶蹴り/なわとび/ 伝言ゲーム/フルーツバスケット/リレー遊び/ あっちむいてホイ!ホイ!/足じゃんけん など

区分はあくまで目安です。
また、園の環境や方針、地域によっても、遊び方には違いがあります。

Q & A コーナー

「ウチの子、園生活の中でうまくやっていけるかしら?」
初めて幼稚園や認定こども園へお子さまを預けるパパ、ママのあれこれ疑問にお答えします!

初めての園生活。パパ、ママから離れなかったり、泣かれそうで不安です。
今のうちに心がけておけることはないのでしょうか?

A

お子さまにとって初めての集団生活を営む「未体験ゾーン」なわけですから、不安を感じるのは当然です。登園の時に泣いて離れなかったり、通園バスに乗らないと暴れたりするのは親にとって辛いものですが、個人差はあれ、しばらくすると、元気に「いってきまーす!」と登園できるようになるケースがほとんどです。新しい環境に慣れる適応力は大人以上ですから、今のうちは『親離れ』など意識して神経質にならず、スキンシップをたくさんとって、安定した愛情を与えてあげてください。しっかりしたお母さんの中にはきちんとしたしつけをしようと思うあまり、「そんなこともできないと笑われるよ」とか、「そんなことをすると先生にしかられるよ」などと言ってしまうケースがあります。そうなると子どもは幼稚園や認定こども園に対してマイナスイメージを広げてしまい、大変なところだと思ってしまうことでしょう。「幼稚園や認定こども園は楽しいところ」というイメージを持たせるため、お目当ての園の子育てサークルや開放日に参加したり、園庭で遊ばせたりと、入園を待ち遠しいと思える雰囲気をつくってあげるとスムーズに入園を迎えられるかもしれませんね。

トイレや着替えがまだ一人で上手にできないのですが、
園での生活についていけるでしょうか?

A

トイレや着替えがうまくできなくても、心配なさらなくて大丈夫です。入園前のお子さまでしたら、「できない」ことがあるのが普通なのです。もしおもらししてしまってもこっそり着替えさせたり、替えのパンツやおむつを多めにお預かりしたりと、入園後は各園対応は異なりますがフォローしていきますので、今はご家庭でも、できるように少しずつサポートしてあげてください。生活の中の様々な体験は、子どもの成長を導く大事なものです。一つ一つが大切な経験ですので、自分でやる場面を増やしていきましょう。園生活では個々の意欲を引き出し、支えながら見守っていきますので、安心してお子さまをお預けください。

ウチの子は乱暴ですぐ他の子に手が出てしまい(噛んでしまい)困っています。
入園してもお友達をぶったりひっかいたりしそうで不安です。

A

幼稚園や認定こども園にはいろいろなタイプの子どもが集まり、個性や自己主張がぶつかり合う場所です。当然、けんかや、叩いた、ひっかいたということは日常茶飯事です。子どもたちはそういった中でルールや社会性を学んでいきます。とはいえ、「相手の子にケガなどさせたら……。」というお母様の不安もよくわかります。3歳頃までは、言葉の発達に差があり、自分の思い通りにならないことがあっても、それを相手に上手に伝えることができず、手や口が出てしまう場合が多いようです。そこには、たとえ勘違いでも、相手が押したとか、遊具を横取りされたとか、はたまた注目されたいだけだったりと、必ず何か理由があるものです。子どもがどんな気持ちで手や口が出てしまったのかを真剣に受け止めてあげながら、優しく、他の子の気持ちや立場も同じように尊重していかなければならないことを、根気よく繰り返し教えていかなければなりません。少しでも我慢できたら、それをきちんと認めてほめてあげることも大切です。また、子どもの様子を見るに見かねて、厳しく体罰めいた叱り方をしていると、友達とのトラブルの際、自分が悪いことをして親に叱られた時のように、正義の行為として手が出る原因になるケースもあるのです。遅かれ早かれ、どこかで一度は乗り越えなければならない壁です。お子さまを入園させたら、先生方を信頼していただき、長い目で子育てすることを心がけてみてください。

今年満3歳になる子どもがいます。いずれは幼稚園または認定こども園への入園を考えているのですが、満3歳保育と3年保育どちらがいいのか悩んでいます。

A

幼児の発達には個人差がありますし、その子の家庭状況や地域の環境、育ち方や兄弟姉妹の有無など、様々な要素がありますので、どちらがよいとは一概には言えないでしょう。しかし最近では、安心して遊べる場所の減少や、少子化、核家族化などが進み、満3歳からの入園が増えているのも事実です。満3歳というと、自分でやってみたい思いが強まり、一人遊びを充分に楽しむ時期ですので、環境の整った園にて五感を刺激するために、家庭より園で集団生活を送ったほうが子どもにとって、また親にとってもプラスになるかどうかを優先してお決めになることをお勧めします。

保護者会の役員になると何かと大変だという話を聞きました。
もし自分がやらされたら……。と思うと不安です。

A

多くの方がPTAの役員を引き受けることが面倒だと感じられているようですね。でも、実際に役員になって子どもを卒園させた方の多くは、「やってよかった」「楽しかった」といった感想をお持ちになるようです。園での教育には家庭との密な連携が大切です。役員を引き受けることによって園に親しみ、職員への理解や意思疎通が深まることは、むしろプラスの面のほうが大きいとも言えるでしょう。また役員同士の仲間作りで、交友関係が広がるのも魅力です。でもやはり最大の魅力は、我が子や、多くの子どもたちの園生活をじかに覗く機会が増えるということでしょう。様々な行事に参加、運営することで、普段、家庭や保育参観だけでは見られない、子どもの生の姿に触れ、我が子のいいところや、教育上の課題などを発見することもあるかもしれません。もし役員を引き受けることになっても、単に面倒なお手伝いというスタンスではなく、あえてチャンスととらえ、できる範囲で、積極的に関わるというのも、ひとつの考え方ではないでしょうか?

園生活について心配なことがおありなら、まずお近くの園に相談してみてください。
きっとよい解決方法が見つかるはずですよ。